臨床検査部門
Clinical Examination

臨床検査部門についてAbout

臨床検査部門
研究検査科では、病気の診断や治療に際して行われる臨床検査を、迅速かつ正確な検査結果をモットーに臨床検査技師3名の少数精鋭で行っております。 臨床検査に関するご質問、お問い合わせはお気軽にどうぞ。
検査科一同

臨床検査の意義

医学的診断に必要な情報は大きく三つにわけられますが、これらの情報をもとに医師が総合判断して診断が決定されます。
1. 医師の問診によって得られる患者さんの訴えや患者さんをとりまく環境情報
2. 医師の診察によって得られる症状
3. 検査による検査成績(臨床検査)
なかでも、臨床検査は単に病名の決定にとどまらず、病態像およびその重症度の把握、経過観察、治療方針の決定、予後の推定などに最も客観性の高い情報として提供されます。

臨床検査とは

臨床検査は検体検査と生理検査(生体検査)に大別されます。

検体検査

患者さんから得られた尿、便、喀痰、血液、髄液、胸腹水、組織(臓器)片などを検査材料として物理的、生化学的、血液学的、血清学的、形態学的手法を用いて行う検査です。

生理検査

患者さん自身の生体変化を捕えるために行う検査で電気的情報としては心電図、脳波などが、物理的情報としては呼吸機能検査などが行われます。

検尿、検便検査

尿中の糖、蛋白、潜血などの分析や尿中の白血球、赤血球などの顕微鏡観察を行い、糖尿病、腎障害、尿路感染症などの疾患の発見、診断に役立ちます。糞便中の潜血反応を行います。潜血反応は日本において増加傾向がみられる大腸癌やポリープの一次検査として重要です。

血液学的検査

血液分析装置

血液検査は血液中の血球成分(白血球数、赤血球数、血色素濃度、ヘマトクリット値、血小板数)の測定や血液凝固検査などを行い、感染症、悪性腫瘍、貧血や出血傾向などの発見、診断に役立ちます。

血液ガス分析

血液中に含まれる酸素や二酸化炭素の量、またpHを測定することで、肺機能や生体の酸塩基平衡などが把握でき、病気の診断に役立てることができます。当院では同時に電解質(Na+、K+、Cl-、Ca2+)、ヘモグロビンも測定可能な分析装置で検査しています。

生化学検査

血液、尿、髄液などの生体材料中の化学成分(糖、蛋白、酵素、脂質、電解質、色素、低分子窒素化合物など)を測定しています。生化学検査を通して各臓器の機能を把握することができます。検査情報をより早く提出することにより病気の判断がつき、より早く治療が開始されます。

生化学分析装置

数十項目の生化学検査を少量の試料で正確に短時間で測定できます。

主な測定項目

総蛋白、アルブミン、総ビリルビン、AST、ALT、LDH、ALP、γ-GTP、CPK、BUN、クレアチニン、Na、K、Cl、アミラーゼ、中性脂肪、HDL及びLDLコレステロール、血糖、尿糖、ヘモグロビンA1c、薬物検査など
生化学分析装置

免疫・血清検査

■ 感染症検査
梅毒、B型肝炎、C型肝炎、カンジダ、マイコプラズマ、インフルエンザウイルス抗原、アデノウイルス抗原
■ 炎症反応検査
反応性タンパク(CRP)など抗原抗体反応(免疫反応)を原理とする検査を行っています。
■ 輸血関連検査
血液型、不規則抗体、交差試験などの輸血を安全に実施するための輸血関連の検査や、血液製剤の保管管理など輸血の一元管理を行っています。

細菌検査

最近話題となっているMRSA、多剤耐性緑膿菌による院内感染やO-157などの腸管感染検査などの検査で、呼吸器、消化器をはじめ各種感染症の原因となる病原性微生物について、喀痰、尿、便、分泌物、血液などの検査材料から細菌培養、同定、薬剤感受性検査などを行う検査です。その他、院内感染対策委員会、ICT委員会の会議に出席し、食中毒関連検査、院内感染対策等の環境検査を行い、資料、データを作成提出しています。

病理・細胞診検査

病理組織検査は胃カメラ、気管支ファイバ-での生検、手術で摘出した組織片を蝋(パラフィン)で包埋、薄切、染色して厚さ2~3μの病理標本を作製し病理医が診断します。 細胞診は喀痰、尿などに含まれる細胞にパパニコロウ染色を施し、顕微鏡を使って、正常細胞か異常細胞かを診断します。

生理検査

検査科の検査業務で直接患者さんと接して行う検査です。
  当検査科で行っている検査は
  1. 1.心電図検査(12誘導・ホルター)
  2. 2.呼吸機能検査
  3. 3.脳波検査
  4. 4.聴力検査
  5. 5.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査を行っています。
    ※方法として「終夜睡眠ポリソモノグラフィ検査(PSG)」を行います。この検査は睡眠の状態と呼吸の状態を総合的に調べる検査方法で一日入院していただき、脳波や心電図、呼吸運動、いびき音、血液中の酸素の量などをセンサーを身体に取り付けて行います。この検査は痛みは無く、いつもと同じように眠っていただけます。
    それに、腹部・心臓の専門医が担当して行っているのが、
  6. 6.超音波(エコー)検査
    ※患者さんに不安を与えず、リラックスして検査を受けてもらえるよう心がけています。また、検査時には患者さんの協力が必要です。宜しくお願いします。

超音波診断装置

超音波検査は放射線被曝の恐れが無く、リアルタイムで断層画像が得られます。また、超音波のドプラー効果を応用した局所の血流速度測定ができ、形態診断に加え機能診断にまで応用できます。