当院では、がんをはじめとする様々な手術を受けられた患者さんが、失われた機能をできるだけ取り戻し、生活の質を向上できるように治療を行っております。特にリンパ浮腫に関しては、医師、看護師、薬剤師、理学・作業療法士、栄養士、検査技師、多職種でチームを組み治療にあたっています。
残念ながらすべての患者さんに有効ではありませんが、従来の複合的理学療法に加え、適切な時期にリンパ管吻合術等の手術を提案し、集学的に治療することで、有意な改善をみる症例も少なくありません。当院は2018年に長崎県で初めて医師主導型のリンパ浮腫治療を開始しました。複合的理学療法から手術療法まで一貫して行える長崎唯一の施設で、入院集中排液の他、手術は関連施設も含め、のべ200回以上の手術を施行しています。リンパ浮腫の治療は、我々医療者とともに、患者さん自身の努力も必要な疾患です。改善を目指し、ともに歩んでいくことができればと思います。
また、以前より行っておりました有志による座談会形式の勉強会も、2019年より長崎大学病院、日赤長崎原爆病院と協力して、当院に本部を置く、「長崎県がん術後QOL・リンパ浮腫研究会」として正式な研究会となりました。がんの治療のみならず、術後の患者さんの機能や整容を憂慮し、治療する医療者の集まりです。種々の症例やそれぞれの知識を共有し、その知識を少しでも患者さんに還元できるように努力いたします。
- 長崎リンパ浮腫治療センター
- Lymphedema Treatment